【課題】 多くの企業が6月末に株主総会を開催します。定時株主総会は株式会社における最高意思決定機関であると同時に、取締役が前事業年度の職務執行や経営成果を株主に説明し、今後の企業価値向上に向けた方針について株主と対話する場でもあります。 取締役会は、株主総会の準備段階において、株主の参画機会を確保するとともに、決議や対話の前提となる開示情報の信頼性を担保し、株主総会が適法かつ実効的に運営されるよう監督する必要があります。また、株主総会終了後には、株主による取締役選任の結果等を踏まえ、コーポレートガバナンスに関する重要事項を速やかに決定する必要があります。 これらのプロセスは毎年の定型的な手続きにとどまることなく、それぞれの決議事項における法的リスクを確認しつつ、機関投資家などステークホルダーの視点も意識して、取締役会が責任を持って取り組むべきものです。また、取締役会を支える事務局には、法令や社内手続きの遵守という観点のみならず、自社の経営環境や事業戦略を踏まえた「自社の株主総会プロセスの在り方」を構想する力量が求められます。 以上を踏まえ、定時株主総会の「開催前」および「終了後」に取締役会が決議すべき事項について、実務上のチェックリストを作成してください。チェックリストの作成にあたっては、①法的/手続的リスク、②情報開示/株主対話、③新年度の経営/監督体制、④事務局の期待役割、に適宜言及してください。 【模範回答】 定時株主総会の前後は、取締役会の意思決定が短期間に集中する時期であり、一つの決議漏れや手続の順序の誤りが、株主総会の適法性、開示情報の信頼性、さらには新年度の業務執行権限にまで影響しかねません。毎年繰り返す手続であるからこそ、「前年どおり」に進めることが大きなリスクになる場面でもあります。 総会開催前には、日時・場所、議案、議決権行使の方法などを決定するとともに、株主が各議案を十分に検討し円滑に議決権を行使できるよう、必要な情報、検討期間、行使手段を確保する必要があります。総会終了後には、代表取締役、業務執行取締役、各取締役の担当、委員会構成などを決定し、新たな経営・監督体制を正式に確立する必要があります。 そこで本稿では、定時株主総会の「開催前」と「終了後」に分け、取締役会で決議すべき事項、報告を受けるべき事項、取締役会事務局が留意・確認すべき事項をチェックリストとして整理します。そのうえで、①法的・手続的リスク、②情報開示・株主との対話、③新年度の経営・監督体制、④取締役会事務局に期待される役割、という4つの観点から、実務上の留意点を解説します。・・・(🔒続きを読む
(本記事は、上場会社役員ガバナンスフォーラムより提供されたものです。  本記事の内容に関するお問い合わせは、同フォーラムまでお願いいたします。)